3.蓄電池の役割とその重要性
蓄電池は、需要が低い時間帯に電力を蓄えつつ、需要が高まる時間帯には放出してピークを平準化する役割を果たすことで電力供給の安定性を向上することができるため、需要と供給の調整を担っています。この技術によるエネルギー効率の向上および再生可能エネルギーの利用を促進することの他に、天候に依存するため再生可能エネルギーは発電量が不安定となりがちですが、蓄電池はこれを補完し、余剰電力を貯蔵して必要な時に使用することで効率的な利用を促進します。
さらに、需要者側にとって最大のメリットとなるのは利用料金が大幅に抑えられる、という利点も。
ピーク時の電力消費を抑えることによって電力料金の平準化が叶うため、一度上がるとその後は下がらない高額な電力(最大デマンド)を避けられ、全体の電気料金を削減することができます。特に企業にとっては、コスト効率の向上が重要です。
他方、日本の電源構成の7割以上が火力発電によって賄われていることから、蓄電池を使用することによって再生可能エネルギーの利用が進み、その結果として化石燃料依存が減少しCO2排出量の削減にも貢献できるため、環境への配慮にも適しています。
4. “もしも”の時の電力供給の安定性
そして、何より蓄電池は停電時にも電力を供給できるため、重要なインフラやサービスの継続性を確保するという点で有力視されます。災害時など、特に病院やデータセンターなどの重要施設での電力供給の安定性が高まるほか、高層ビル等のエレベータ稼働の是非によっては人命に係わるという重要な場面での活躍が期待されるからです。
まとめ
エネルギー需要の増加とピーク負荷の問題は電力供給の安定性に大きな影響を与えています。
その中で、蓄電池は、エネルギーの効率的な利用や再生可能エネルギーの活用を促進し、その結果コスト削減や環境保護にも寄与していることから、持続可能なエネルギーシステムとしての実現が期待されています。